口頭テストの意味

うちの教室では、ビデオ映像による反転授業を行っていましてね。
今までの普通の塾とは違って、授業内容はご自宅でビデオを見てきてもらって、ノートをとってきてもらう。
テキストの問題も一通りは解いてきてもらう。
ここまでが宿題。



じゃあ、塾の教室では何をやっているのと言われたら、ひたすらテストと演習メイン。
つまりは学習した内容の確認とアウトプットの練習。

きちんと家でビデオを見てきたのか、その内容を理解しているのか、きちんと問題を解くときに使うことができるのか。これを口頭テストで確認するわけです。

口頭テストをやるとね。ほんとによくわかります。その子のレベルが。
この子はノートに書いてきた内容を字面だけで丸覚えをしてるな。とか、内容をきちんと理解できているなとか。今日は時間がなくて話を聞かずにノートだけとりあえずうつしてきたな。とか
もちろん口頭テストに合格できなければ、もう一度ビデオを見直してもらったり、内容の覚え直しをしてもらったり、間違って理解している場合はその場で説明をし直したり。

もちろんめちゃめちゃこちらの手間はかかりますし、生徒によってはほぼ毎日居残りになったり、別日に呼び出しをくらったり。

でもね、そういったことを何度も繰り返していると、そのうちね、生徒のビデオ視聴のやり方もずいぶん変わってくる。口頭テストでこんなこと聞かれそうだな。とか、いろいろ予測して見てくるようになったり、ノートもただ黒板の板書をするだけでなく、話の内容をきちんとメモ書きしてきたり、きちんと考えてノートを書くようになってきたりする。

つまりうちの場合、成績を伸ばす秘訣はこの口頭テストにあるわけで。
生徒にとっては、はじめはつらくて大変かもしれないし、こちらも入塾したての生徒なんかはめちゃくちゃ手間もかかったりするけれども。

でも、これを何度も何度も繰り返すことで確実に生徒の成長が実感できるわけです。
間違いなく定期テストの点数や模試の点数なんかも上がってきますしね!!

だけども勉強がもともと苦手な生徒で何度も追試やダメ出しをくらって、口頭テストが嫌だなーと思ってそれをなんだかんだで避けて通ろうとする生徒もいて。
そういった子はいつまでたっても実力がついてこない。口頭テストを強制してもいいんだろうけど、そうすると、そういった生徒は塾に来なくなってしまう子もいて。
口頭テストをどうしても避けられないときには都合よく具合が悪くなってしまう生徒もいて。
でもね、そうやってダメだしされながら、自分のやり方を変えていって。少しずつダメだしされていく量が減っていって。それが成長なのだ!!と。
口頭テストにはそういった意味があるのだよと思いますよ。

たしかに大変ですよ。ペーパーのテストと違って。なんども同じ問題を使い回しして、答えを覚えちゃうとかないし。こっちもその都度質問を変えていく必要があるし。しかもそれを生徒一人一人にやっていくし。めちゃめちゃ大変です。お互い。
でも、この面倒くさい、しんどい作業が大事なのよね。「成長する」「成長させる」は楽ではないですね。

ビデオもね、見せっぱなしじゃダメなのよ。もし、見せっぱなしで実力つくなら、サッカーの教則DVD見ただけでJリーガーになれちゃうだろうし、プロ野球の熱心な観戦者は誰でもプロ野球の選手になれちゃう。そんなわけない。
練習しないとね。

こうなるともしかしたら読書とかも同じなのかもと思いますよ。うちの子よく読書します。っていってても国語力がまったくない子ってよくいます。
もしかしたら、読書の仕方がよくないのかも。読書したら口頭テストじゃないけど、一緒にその内容について話をしたり、そういった口頭テスト的な確認が必要なんじゃないかと思ったり。
そもそもひとえに読書といっても、どれだけその本から書かれている内容を吸収できているのかは、その人次第ってところもありますよね。
もっといっちゃえば、漢字もろくに読めない、言葉の意味もよくわからんって子が読書をしても内容入ってくるのかしら。
本を読みなさいっていって、本を与えて読ませるだけで読解力がつくかは疑問だよなーと。
話がずれてしまったけど、今日はこの辺で。お疲れ様でした。
入試まで後91日!!
                           文責:依田

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