中学3年生の卒業式も終わり、塾としても一段落。
と言いたいところですが...
新年度の授業もスタートしましたので、まだそれに慣れるまでは落ち着かない日々が
続いています。
さて、生徒の皆さんにおかれましては、このテストのない時期に何を頑張って欲しいか。
テストのないこんな時期だからこそ、「基礎学力」「地力」を伸ばすのにはうってつけの時期なのです。
具体的には
「暗記の精度を上げること」
もう一つは
「思考力を鍛えること」
この二つになります。
今回は「暗記の精度を上げること。」を取り上げていきます。
今、塾では3月の自主学習の一つとして、
「英単語暗唱1分15秒トライアル」
を実践しています。
これは時間の制限を区切って、単語帳を暗唱しましょうというものです。
もとは3分でやっていたのですが、皆さんが頑張ってあまりにもスラスラ覚えてくるもので、時間を縮めた次第。
「何で暗唱に時間制限を入れるの?」
それはそのくらいスラスラ言えるまできちんと覚えてほしいからです。
よく暗記のテストを塾内で行いますが、生徒によってはテスト最中に「うーんと、えーっと…。」と考え込む人がいます。最終的には答えは出るのですが、これではテストで全く使い物になりません。
そもそもこんなうる覚えの状態だと、次のテストにとりかかった瞬間に前のことを忘れてしまうでしょう。
これでは意味がありませんよね。
私は塾の生徒に九九スラスラ言えますか?と尋ねることがあります。
するとね、みんな馬鹿にするなと言わんばかりの顔をします。
でね、実際にやらせてみるんですが、すると3の段とか4の段あたりまでは全然問題ないのですが、7の段~9の段あたりになるとかなり怪しい。
つっかえたり、途中を飛ばしたり、きちんと言えない生徒が増えてきます。
次に逆(9×9、9×8と下がっていく九九)を言ってみてとやらせてみるとこれも怪しい生徒がちらほら。
次にバラバラに質問する(9×3、4×7、5×9とバラバラに質問する)と、答えを間違う生徒もちらほら。
最後に答えから式を言わせる。
(例えば12なら答えは2×6、3×4、4×3、2×6の4つ)
これは全部をスラスラ出せない生徒がかなりいます。
「暗記ができます」っていうなら、ここまではスラスラとつっかえずに言える状態を作って欲しい。
この精度が低ければ低いほど、やっぱり勉強が苦手なんだよなって思ってしまうし、新しいことを習っても習熟度(どれだけ身に付いたか)が低いということ。
この価値観はきちんと修正しないといけないなと思っています。
確かに今までいい加減な暗記しかしてこなかった人にとっては、めんどう極まりない作業かもしれませんが、暗記の精度を高めることはとても大事なことだと思います。
【暗記の精度を高めるメリット】
暗記の精度を高めるメリットは主に次の2つ。
メリット1
特に時間の制限のあるテストにとっては、暗記の速さのアドバンテージはとても大きくなります。
なぜならその分の浮いた時間でじっくり思考することができるから。
単語の意味がスラスラ出てくる、計算の公式がすぱっと出てくる、解法の仕方がすぱっと出てくる。これはとても大きいことです。
メリット2
特にバラバラの暗唱や上記で言うなら答えから式を言わせるような暗唱をスラスラ出来るようにするには、ただの丸暗記ではなく、自分なりに「知識の紐付け、関連づけ」が出来ていないとなかなかスラスラ出来るようにはなりません。ただこれこそが思考力の土台にもなっていきます。
よく暗記は勉強の理解の妨げのような意見もききますが、昔、お寺に修行に出された小坊主は、最初は意味もわからずにお経を暗唱し、写経することに時間をかけました。
それでもそれをくり返すうちに意味を自分なりに考え、解釈し、理解を深めていったといいます。
勉強もこれと同じではないでしょうか。
まずはとにかく覚える!!そうした状態で授業を聞いたり、教科書を読んだりするとより理解が深まる。
あーなるほど!と合点のいくことも多ければ、なんでだろうと疑問も浮かぶ。
なんも自分の中に知識のない状態で授業を聞いたり、教科書を読むよりよほどいいのではないかと思います。
人間は苦労して手にしたものは最大限活用しようという思いがありますからね。
ということで
思考力のベースにはしっかりとした暗記が必要!
私はこのように思います。
「思考力を鍛えること」に関してはまた次にお話ししたいと思います。
文責:依田