神奈川県の公立高校入試の仕組み



神奈川県の公立高校入試の仕組みについて
詳しく説明していきます。


2004年度入試までは、多くの受験生が自分の住む「学区(当時は18学区)」の高校を志願していました。なぜなら学区外受験者は定員の25%という制限があったからです。
2005年度以降、学区撤廃によって全県一学区となり、現在では県内のどこの県立高校でも受験することが可能です(市立高校には学区があります)。
これにより、志望校の選択肢が広がり、学区制限を考慮せずに受験校を決めることができるようになったために、人気校に志願者が集中する傾向が強くなりました。

さらに、2013年度入試からは、「前期選抜(面接試験)」「後期選抜(学力検査)」という2つの選抜方法を「共通選抜」に一本化し、受験者全員が学力検査と面接の両方を1回だけ受ける形式となりました。
2013年度からの入試をまとめると以下の通りです。

共通選抜
各高校の学科・コース等ごとに募集をおこなう。
募集人員は、募集定員の100%とする。
(前期選抜で定員の~%、後期選抜で定員の~%という選抜方法を廃止)

志願時に提出するもの
受験生全員が「入学願書」および「面接シート」を志願する高校に提出する。

志願変更について
期間中に1回の志願変更が可能。

検査内容
受験者全員に学力検査と面接を課す。
「学力検査」:原則、外国語(英語)・国語・数学・理科・社会の主要5教科。
(特色検査実施校では、3~4教科に減らすことができる)
「面接」:個人面接。面接担当者は2人以上で面接時間は約10分

特色検査
共通の検査に加えて、「特色検査」を実施する高校がある。
「特色検査」の種類:「実技検査」「自己表現検査」の2種類

選考方法
「第1次選考」で定員の90%
「第2次選考」で定員の10%
を選抜する。
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 〔例〕定員280名の高校の場合
   第1次選考:定員の90% → 252人
   第2次選考:定員の10% → 28人
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第1次選考
「内申」+「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考する。
内申:学力検査:面接(:特色検査)の比率は各高校が定める。

第2次選考
「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考する。
内申は考慮しない。
*クリエイティブスクール
(田奈高校、釜利谷高校、大楠高校)は
学力検査を実施せず、内申も選考資料として扱わない。
総合的な選考で選抜をおこなう。


共通選抜の選考資料
共通選抜では、「内申点」「学力検査」「面接」および「特色検査」の結果を選考資料とする。

内申点
2年内申の9教科合計と、3年内申の9教科合計を2倍した135点満点
各高校の判断で3教科以内、各2倍の範囲で傾斜配点を設定することが可能。

学力検査
原則、英語・数学・国語・理科・社会の5教科の数値を使用する。
検査時間は50分、各教科の満点は100点
基礎的・基本的な知識及び技能、思考力、判断力、表現力等を選考の基準とする。思考力測るための記述問題も出題される。
※特色検査実施校は、3~4教科での実施をすることがある。また、各高校の判断で2教科以内、各2倍の範囲で傾斜配点をつけることが可能。

特色検査
「実技検査」「自己表現検査」の2種類がある。

実技検査の例
美術関連 → デッサン
英語関連 → 口頭での英問英答
体育関連 → スポーツ種目の実技

自己表現検査の例
「テーマに基づく『スピーチ』『グループ討論』」
「教科横断的な記述問題(資料の読み取りや作文等を含む)」

面接
中学校における学習意欲や、校内外の教科等以外の活動に対する意欲について評価する。
下記の3つの「共通の観点」をもとに選考をおこなう。
1:志望理由
2:中学校での教科等に対する学習意欲
3:中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲
高校に入学してからの活動意欲や、将来の進路・展望など、「学校ごとの観点」が設定されていることもある。
志願時に志望理由や自分の長所等を記入した「面接シート」を提出する。

共通選抜の選考方法
共通選抜の第1次選考では「内申」+「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考する。内申:学力検査:面接の比率は受験校によって異なる。
第2次選考では内申を資料とせず「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考する。
(第1次選考では調査書と学力検査、第2次選考では学力検査のうち、一部の教科について重点化する学校がある)

選抜方法
まず、以下のa~gを算出する。
a:内申を100点満点に換算した数値
 (内申点は2年9教科+3年9教科×2=135満点)
b:入試の各教科の得点の合計点を100点満点に換算した数値
c:面接の得点を100点満点に換算した数値
d:特色検査の結果を100点満点に換算した数値
f:受験校の内申の比の値
g:受験校の入試の比の値
h:受験校の面接の比の値
i:受験校の特色検査の比の値
(f、g、hはそれぞれ2以上の整数でf+g+h=10)
(iは5以下の整数(特色検査を実施する高校のみ設定))

第1次選考の選抜(特色検査なし)
S=a × f + b × g + c × h
(Sは1000点満点)

第1次選考の選抜(特色検査あり)
S=a × f + b × g + c × h+d×i
(Sは1500点満点)

上記で求められたS値に基づいて
定員の90%を選考する。

第2次選考の選抜
入試+面接(+特色検査)の結果に基づいて
定員の残り10%を選考する。
(入試:面接の比率は、それぞれ2以上の整数で、足して10になるよう設定)
(特色検査の比率は5以下の整数)

〔第1次選考に使用される数値の計算の例〕-------------
2年の内申が「34」
3年の内申が「37」
入試得点合計が「372点」
面接点が「170点(200点満点)」
だった場合

内申点は、34+37×2=108(135点満点)。
これを100点満点に換算するので、108に100/135をかける。
108×100/135=80。よって80がaの値となる。

入試得点合計は、372点(500点満点)。
これを100点満点に換算するので、372に100/500をかける。
372×100/500=74.4。よって74.4がbの値となる。

面接点は、170点(200点満点)
これを100点満点に換算するので、170に100/200をかける。
170×100/200=85。よって85がcの値となる。

内申:入試:面接の比が
3:5:2の場合
80×3+74.4×5+85×2=782

4:4:2の場合
80×4+74.4×4+85×2=787.6

5:3:2の場合
80×5+74.4×3+85×2=793.2

以上のような得点結果となる(いずれも1000点満点)
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内申と入試得点の比率の関係

例えば内申:入試:面接の割合が2:6:2の場合、内申1ポイントは入試の得点換算で約1.23点に相当します。同じく3:5:2の場合では、内申の1ポイントは入試得点の約2.22点、さらに内申の割合が高い4:4:2の場合、内申1ポイントは入試得点の約3.70点となり、高内申の受験者にとって非常に有利となります。内申が低い受験者の立場からすれば、入試得点による逆転が難しくなります。
 
 第2次選考(全定員の10%)では、学力検査と面接中心で選抜をおこないます。内申の数値的には不利な生徒も、当日の入試で高得点をとることができれば、逆転合格の可能性があります。入試得点すなわち学力検査が決め手になりやすくなったとも言えますので、実力をしっかりつけて本番に臨みましょう。